共有名義・連帯債務の物件が差押えに!名義をハッキリさせるべき訳とは

2019年01月07日(月)

マイホームを購入する際に夫婦の共同名義・連帯債務でローンを組むというのは、ごく一般的な話です。ですが、人生は紆余曲折。一筋縄ではいかないように、住宅にまつわるトラブルは、どなたにとっても他人事ではありません。
特に、女性の社会進出が進み、離婚するカップルも増えている今、その確率は高まっています。離婚後に共同名義の物件を売却しようと思ったら、お相手の名義が差し押さえになっているなんて例も!ここでは、そんなDさんのケースについて詳しくお伝えしてきます。

■事業家の2人が購入したマンション

広告デザイン制作系の会社の代表を務めるDさんと、ネイルサロンを営むA子さん夫婦はどちらも経営者であり、バリバリ働く経営者カップルでした。結婚を機に折半、共有名義・連帯債務でマンションを購入。
ですが、A子さんの事業拡大に対してDさんが助言をしたことで関係が悪化し、同じマンションに住みながら部屋は別の完全な仮面夫婦となってしまいました。一言も口を利かなくなってから5年経過し、Dさんはこの関係を清算したいと話し合いの場を設けたのです。お互いに離婚には合意していますが、ネックとなったのがマンション。
この時、初めて明らかになったのは、A子さんの持ち分が差し押さえとなっている事実です。事業拡大の資金を融資してもらうための事業ローンの担保としていましたが、滞納したことで差し押さえられてしまったと告白されました。通知は届いていましたが、A子さんのほうが早く帰宅するため、Dさんが目にすることはなかったのです。登記簿謄本を確認し、改めて愕然としました。

■住宅ローンの滞納はわずか

A子さんは住宅ローンの返済も滞っておりましたがこちらは1ヶ月のみ。3日後の引き落とし日がやってくる前になんとか今後の見通しを立てたいと、Dさんが頼ったのは以前仕事を請け負った不動産業者です。イレギュラーな案件を得意としていることを武器にしていたことを思い出し、連絡を取りました。
担当者と夫婦の3人で相談を行ったところ、Dさんは売却してスッキリと清算したいと希望しており、A子さんは全面的に協力するとのこと。まずは売却に必要なステップについて整理することにしました。まず、マンションの市場価格は2600万円で、ローン残高は2200万円。A子さんの差し押さえ分が100万円、事業用ローンの残高が100万円もこれで完済することができそうです。
マンションは評判のいい学校があり、図書館や科学館の立ち並ぶ文教地区で、病院や公共施設も徒歩圏内と、ファミリー世代から特に人気の高い地域。マンションにはキッズルームもありますが、地方の築17年のマンションにしては高額な評価が付いています。当初は「高すぎるのでは?」と、心配していましたが、引越しを検討する2月であったことも幸いし、あっという間に買い手が決定しました。
発見が早かったことが功を奏し、双方にとってベストな状態で物件を処理することができたといえるでしょう。

■滞納から競売まではおよそ半年から1年

滞納するとすぐに競売になってしまうイメージがあるかもしれませんが、実際にはどんなに早くても半年。金融機関によって異なりますが、1年の滞納でほとんどの場合、競売が始まります。
主な流れをみていくと、
・1~2ヶ月目・はがきや電話での催促
・2~3ヶ月目・督促状や催告書通知の送付及び、金融機関への呼び出し
となります。ここまでの過程でしっかりと銀行と相談し、指示通り支払いなどを行えば競売とはなりませんが、態度によっては、
・3ヶ月~6ヶ月以上・期限の利益喪失
へ。「期限の利益喪失」とはローンの分割ができなくなる状態を指します。つまり、一括返済か、競売かという2択を迫られるということです。この後は、裁判所執行官の訪問や競売が行われ、売却が完了すると立ち退きとなります。銀行の方針や話し合いの内容によって期限が異なるため、支払いが難しい場合でも無視せず事情を分かって貰うことが大切です。

■実際の差し押さえは地味

テレビや映画などで差し押さえといえば、家に訪問し宣言して差し押さえの札などを貼っていきますが、実際には登記簿謄本に「差押」と記載されるだけ。意外にシンプルであり、確認しないと分からないものなのです。
DさんはA子さんは同じマンションに住んでいながら差し押さえの事実を知ることはありませんでした。今回は発覚のタイミングが早かったため、スムーズに処理ができましたが、離婚後も共同名義・連帯債務という方は少なくありません。大きなリスクとなるため、少々面倒でもキチンとどちらかの名義にするなど決着を付けることをおすすめします。

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