離婚よりも泥沼の争いも!支払った頭金を取り戻すのは可能か

2018年12月28日(金)

家を購入する際に頭金を入れるのはごく自然な流れですが、離婚時にはこの頭金の出処によって揉めて泥沼化してしまうケースもみられます。「比率に応じて分ければいいのでは?」と思われるかもしれませんが、そう上手くいかないのが離婚時の怖い点。ここでは、何故争いになってしまうのかを実例を交えてお伝えしていきます。

Tさんの親が出資した1000万円の頭金

Tさん夫婦が10年前に住宅を購入する際、Tさんの両親から生前贈与の一部として頭金を援助するという申し出がありました。相談の結果、ありがたく受け取ることにした結果、
・購入金額:5000万円
・頭金  :1000万円
・ローン :4000万円(夫婦の共同名義)
という内容の住宅ローンを組み、名義は6割がTさん、残りの4割が奥様名義ということでスッキリと分けることができました。
ですが、時が過ぎ、お互い仕事が忙しくすれ違いが多くなったことで険悪なムードとなり、子供もいないため離婚を決意。お互い離婚することには合意しましたが、やはり揉めたのは家のその後についてです。Tさんは親からもらった頭金は取り戻したいと考えていました。オーバーローン状態ではありませんが、購入時よりも価値は少々下がっており、売却額から1000万円とローン残高を差し引くと何も残らない状況であり、奥様側は猛抗議の姿勢を崩しません。

平行線を打破する方法

売ってスッキリしたいという気持ちはお互いにありますが、お互いの主張は相容れないものであり、話し合いは平行線どころか感情的な怒鳴り合い。この状況をなんとかするべく、Tさんは不動産業者に相談することにしました。まず状況を整理し説明したところ、「やはり、満額戻ってくるのは難しいでしょう」との返答でした。奥様がこの状況で応じる可能性はゼロに近く、裁判となる可能性もあり、そうなると裁判費用や弁護士費用もかかり時間も心も削られます。1000万円が返却されるという結果が出たとしても、それまでの費用や道のりを考えると大きくマイナスになることは明白です。奥様が住宅にこだわっている場合は、Tさんの持分を奥様に買い取ってもらうという案も有効になる場合がありますが、今回のケースには当てはまりません。そもそも、買い取るほどの資金を捻出することも難しいでしょう。そこで、提案されたのが売却額からローン残高を差し引 いて残る1000万円に着目し、これを名義通りTさんが600万、奥様が400万円に分ける提案がなされました。

不動産の価値は一定ではない

Tさん夫婦の住宅は都内まで乗り換え無しで30分であり駅前は徒歩で10分、近隣には商店街や学校、公園があるなど子育て世代にも魅力的な地域です。また、築10年と比較的新しい点や仕事が忙しく、2人とも家に居る時間が短いことで傷や痛みもあまりないきれいな状態。大変魅力のある不動産ではありますが、建物の価値は年々減少していき、それに伴い頭金の価値も減少してしまうものです。残念なことではありますが、抗うことはできません。

ペアローンを脱却することも重要

Tさんご夫婦はどちらも売却に同意していましたが、どちらかが残りローンを返済するという選択もあります。ですが、この場合忘れてはならないのが「ペアローンの場合、夫が妻の、妻は夫の連帯保証人である」という点です。返済がスムーズに済めば問題はありませんが、一旦トラブルが起きれば大きな問題となってしまう可能性もあります。夫婦でいるうちであれば、それほど大きな問題ではありませんが一度他人となってしまえば時限爆弾のように忘れた頃にひどい目に合うこともあるため、なるべく完済し保証人を解除することが大切です。

まずは落ち着いて行動を

今回の提案は奥様側も乗り気で、スムーズに解決することができました。実は、奥様が再三提案していた方法だったとか。Tさんは甲高い声で泣きながら話す彼女の声を聞くのが嫌で内容をあまり理解していなかったと話していました。離婚にまつわる不動産の揉め事の多くは、知識不足とコミュニケーション不足が原因となることが大半です。離婚する夫婦なので冷静に話し合えないこともあるでしょう。行き詰まってしまったら、第三者に相談するのもいい方法。知人や家族でもいいですが、余計こじれることも考えられます。基本的には、お互いの主張を落ち着いて聞いてくれ、不動産知識のある場が相応しいですね。その点では、今回不動産業者に相談したのは最善の方法だったといえるでしょう。

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