別居中の浮気夫が自己破産。共有名義の家が競売に!マイホームを守った手段とは!?

2019年08月05日(月)

■登場人物

Aさん: 専業主婦
夫: 機械メーカーの営業マン
子ども: 1人(6歳)

共有名義の不動産が住宅ローンの滞納によって競売にかけられそうな状況になって困っている方へ。その解決方法を、実例を交えてご紹介します。

今回の主人公Aさん(専業主婦)は当時夫と6歳の子どもの3人家族。全国展開している機械メーカーで営業をしていた夫は単身赴任でAさんと別居していましたが、あるとき浮気が原因で離婚の危機に。挙句の果てに浮気相手に貢ぎすぎたせいで、消費者金融からお金を借りて生活費をやりくりしていた事実も発覚。

やがて、返せないくらい借金が膨らみ、首が回らない状況に。当然住宅ローンも滞納していた状況で、自己破産を宣告。Aさんのもとに、突然自己破産の通知が届きました。

ときすでに遅しで、夫との共有名義で建てた自宅は競売にかけられることに。しかし、長年暮らしてきた注文住宅のマイホームに愛着があり、子どもも小さいことから絶対に手放したくないという気持ちがあったAさんの行動とは!?

■債務超過の物件はローンの借り換えも不可能!残された手段は?

まずAさんが考えたのは住宅ローンの借り換えという手段。他の住宅ローンに乗り換えることで金利を軽減して、月々の返済額を少なくしようと考えたわけです。

しかし、ローンの残高が3,000万円に対して、自宅の時価は2,000万円ほど。1,000万円もの債務超過となっていました。この状態では新しくローンを契約しようにも審査になかなか通りません。また、ローンの審査では勤務先の規模や本人の勤続年数、収入なども見られます。専業主婦であるAさんだけでは収入が不安定であり、返済が難しいとみなされて審査に通過する可能性は極めて低いと言わざるを得ない状況。ローンの借り換えは事実上不可能でした。

結局、Aさんが自宅に住み続けるためには、競売にかけられる前に任意売却を利用して時価2,000万円で自宅を買取るしか方法がなかったのです。

■父に資金援助を依頼。相続予定のビルを売却するも資金が足りない

2,000万円もの大金を持っているはずもないAさん。そこで頼ったのはいくつもの不相談を所有している資産家の父親です。相談したところ、Aさんに相続するつもりだったビルを売却して資金を作るという方法を提案されました。

Aさんもその方法に同意し、土地と建物を合わせて1,800万円で売却することができました。200万円不足している状況ですが、あら方の目処がついたということで、次の行動に移ります。

■夫とは交渉が成立したが、金融機関とは決裂!競売まで待ったなし

Aさんは夫の代理人弁護士を通じて、なんとか自宅の任意売却をすることに対して合意を得ることができました。次に行うのは抵当権者である金融機関との交渉です。競売にかけられる前に債権者から任意売却を利用して物件を買取れば、競売を取り下げてもらえる可能性があります。

しかし、金融機関は「2,000万円以上で買取ってくれないなら、任意売却に応じられない」と断固拒否。前述のとおり、父親のビルを売却して得た資金が1,800万円だったため、買取は不可能。諦めざるを得ない状況に陥ります。

Aさんに残された時間はわずか。競売にかけられるときは刻々と迫ってきていたのです。

■任意売却か?競売入札か?迫られる究極の選択

競売が間近になっても、自宅を諦めきれなかったAさん。再度、父親に相談することに。そこで、提案されたのが競売入札。父親が競売でAさんの自宅を落札して新しい所有者になれば、Aさんは家を手放さなくても良いということになります。

競売とは裁判所が行う強制執行のこと。担保である土地や建物を売却して得た現金が債権者に充当されます。競売は市場価格の6~7割が売却基準額となり、そこから更に2割くらい低い額が最低入札価格となるケースが多いです。購入希望者は最低入札価格以上の額で入札を行い、期間中に最も高額で入札した人が物件を落札できます。

最終的な競売の売却価格は不動産業者で取引される相場価格の7割くらいが相場。多くの場合競売にかけられた物件は安く売り飛ばされることになるのですが、Aさんの父親はこれを逆手に取った作戦を考えたのです。

注文住宅であるAさんの家は市場流動性が低く、競売価格もそれほど高価にならないと推測。1,800万円以内で落札できるという確信に近い感覚を持っていました。しかし、何が起こるかわからないのが世の常。競売にかけられたら100%落札できるとは限りません。

無理をして任意売却で確実に自宅を買い取るか、落札できる保証はないが競売で安く買い取るか。Aさんは苦渋の選択を迫られましたが、「ここで落札できなかったらきっぱり諦めて、別の場所に引っ越こそう」と決意を固め、競売入札という道を選びました。

■いよいよ競売開始。その結果は?

ほどなくして債権者から競売の申立が行われ、Aさんの自宅が差し押さえられました。執行官がやってきて売却基準価格が決められ、裁判所が売却実施公告を行い、いよいよ競売スタート。

最低売却基準価格は1,300万円、最低入札可能価格は1,040万円。すかさずAさんの父親は基準価格を大幅に上回る1,700万円で入札。この価格を上回る入札者が現れることなく、開札。自宅の所有者はAさんからAさんの父親に移ったのです。

その後、Aさんは父親と賃貸契約を結び、毎月家賃という形で落札代金を返済することにしました。

■ようやく夫とも離婚。新たな人生のスタート

自身の「家を手放したくない」という強い気持ちと、投資家である父親の冷静かつ大胆な判断で、愛着がある自宅を守ることができたAさん。

日々の暮らしは落ち着いてきましたが、浮気をして借金を作って自己破産した挙げ句、大切な家を失いかけるという状況に追い込んだ夫はどうしても許すことができなかったため、離婚に踏み切ることに。

子どもの親権を勝ち取って、今ではご自宅で親子2人平穏な日々を過ごしています。毎月父親に家賃を支払っているので、生活は楽ではありませんが、それでも競売で落札して自宅を守れたことに満足しています。

■まとめ

競売入札は誰もができるものではありません。住宅ローンを滞納した債務者本人と連帯債務者以外の人が対象です。債務者の妻や子どもに落札させて自宅を守ろうと考える方も多いのですが、その資金の出どころが債務者だということが発覚した場合、裁判所から落札後の売却許可が下りず、所有権を得られない結果にもなりかねないため、非常にリスクが高い方法と言えます。

しかし、債務者本人の資金でなければ同一世帯の親族、妻や子どもも入札は可能です。今回のケースではAさんの父親が債務者・連帯保証人ではなく、資金も父親のものであったため、入札ができ落札の売却許可も無事下りました。

ただし、競売物件の落札は賭けに近いものがあります。競売では不特定多数の人が入札するので、落札できる保証はありません。ご自宅を守るために競売入札を行うのであれば、入札をサポートしてくれる業者に相談し、確度が高い手段をとっていくことで、落札できる可能性が高くなります。

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