行方不明で八方塞がり!住宅ローンと名義人の切っても切れない関係

2018年12月22日(土)

不動産は名義人の同意がなければ、配偶者や子供、親など親しい方であっても売却することはできません。個人の財産を守るための大切なルールですが、これが大きな足かせとなってしまうケースもあります。それが「行方不明」の場合です。特に、住宅ローンが払えなくなった場合でも、任意売却ができないため競売以外の方法がないなんてことも。行方不明なんて自分には関係ないと思われるかもしれませんが、意外に多いもの。ここでは、実例を交えつつ、知っておくべきポイントをお伝えしていきます。

名義人である妻が失踪

Mさんご夫婦は7年前に3400万円でマンションを購入。当時、妻は専業主婦でしたが結婚前の貯金1000万円を頭金として出資しており、残りのローンはMさんが返済することで合意し、名義も妻3割、Mさん7割の共同名義で登記しました。マンションを購入したことでMさんは張り切り、仕事にも力を入れていましたが、ソリの合わない上司の下で一日中働くのは辛いもの。小さなミスでも過剰に攻撃し、手柄は自分のものとして報告することが続き、次第に心が病んでいきました。うつ病で休職から半年は給料が満額でていたので問題はありませんでしたが、妻も心を病むようになり、失踪。給料も徐々に減り回復の兆しも見えないため、住宅ローンの支払いも怪しくなることから、Mさんは売却を決意。ですが、共同名義人の妻は失踪中のため同意を得ることができず、計画は頓挫してしまいました。

競売以外の道がない?

妻の捜索願いは出しましたが、手がかりはなく、月日だけが過ぎていきました。そして、滞納が続いたMさんが競売もしくは一括返済のどちらかを迫られることとなってしまったのです。任意売却を希望しましたが、妻の同意が得られないため泣く泣く競売を選択。幸いに購入から7年ほどど日が浅くて立地もよく、小さいながら2LDKと人気の出やすいポイントが揃っていたため、競売にしては高額で売却が完了しました。ですが、競売の経費や滞納分もあり、最終的に350万円を両親に助けられながら返済することで債務者と合意することができました。決して小さな額ではありませんが、気持ちが軽くなったとMさん。
ですが、これ以外の方法はなかったのでしょうか?

知っておくべき2つの方法

実は、条件が合えば今回のような競売を回避することができます。

”共有持分”のみを売却

名義は妻3割、Mさん7割となっていますが、この7割部分だけを売却することも可能です。住宅ローンが残っている場合でも、債権者と交渉し承諾を得なければならない任意売却ではなく、「抵当権負担付売買」として住宅ローンが残っていても、自身の持分のみを売却することは可能です。ただし、売却によって残りの住宅ローンが完済出来るのか否かというのは大きな問題。これによって買い手の食いつきも変わってきます。また、もともと共有分だけを扱う不動産業者は少なく買い叩かれるケースも多いため、よく吟味する必要もあるでしょう。今回のケースも早い段階で検討していれば、買い手が現れた可能性もあります。長引くほどに不利になっていくため、早めの決断と行動が不可欠。また、この方法を知っているという知識力も試されます。

”不在者財産管理人”を選任

失踪したことが公的に認められれば、死亡時と同じように相続が発生し、売却が可能になります。ですが、これが認められるまでは7年の年月が必要であり、今回のケースには当てはまりません。とても7年は待てないという場合に有効なのが「不在者財産管理人」です。ですが、こちらも行方不明期間が1年以上を対象としており、手続きには3ヶ月から1年ほど掛かるため最短でも2年。やはり今回のケースには当てはまりませんが、知っておくと便利な方法です。

失踪は他人事ではない

失踪というと特別なことのように感じますが、2017年は全国で84,850人が行方不明届を出されているのが現状です。ここ10年はコンスタントに毎年8万人以上が行方不明になっていますが、犯罪が原因のものは少なく、その大半は家族関係のもつれといわれています。行方不明になってはいないが、離婚時のもつれなどで連絡が取れなくなっており、名義について話ができないというケースも少なくありません。不動産を共有するのは夫婦以上の運命共同体です。どんな環境であっても、連絡が取れる手段をお互いに構築しておくことをおすすめします。

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